桑田麻里子さんの「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」という本を読んだので、感想を書きます。
はじめに、この本をおすすめしたいのは、こんなひとです。
- 妊娠中のひとと、そのパートナー
- 0〜2才くらいまでのお子さんを育てているひと
- ネット上の育児情報がありすぎて何が正しいのかわからないひと
世の中の妊娠・育児情報はバラバラすぎ。そもそも口コミ情報って正しいの?
妊娠中、子育て中は、毎日のように疑問や悩みがでてきます。そんな悩みもスマホですぐに調べられる私たちの世代は、恵まれていると思います。
なんですけど、子育ての情報って、けっこう書いてあることがバラバラだったりしますよね。例えば授乳中の食べものについて調べても、古い情報や迷信のような情報が出てくることも多いです。
そもそも私たち自身が親から教わってきたことだって、言ってしまえば数十年前の古い育児情報です。
「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」は、ひとことで言うとどんな本?
そこで、「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」は、自身も子育て中の母親であり、医師でもある著者が、そういった疑問や悩みに対して「2020年時点で、できる限り科学的な根拠にもとづいた答えや考えかた」を提示した本です。
ひとことで言うと、
ネット上のあやふやな育児情報について、医学論文や研究チームの報告書などをちゃんと調べてみた
という本です。
それこそインターネットで検索するようなつもりで、目次から必要なページに飛ぶような読みかたがいいのかな、と思います。もちろん妊娠期から子育て期まで順番に書かれていますから、はじめから終わりまで通して読んでも面白かったです。
「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」はどんなひとにおすすめ?
本の内容をざっくり紹介します。
この本は、ぜんぶで6章にわかれています。
- 妊娠中、母親の飲食や予防接種について
- 授乳期、母親の飲食や母乳育児の「神話」、哺乳瓶の消毒について
- 幼児期「食べること」離乳食の最新の常識について
- 幼児期「寝ること」寝かしつけにありがちな勘違いについて
- 幼児期「遊ぶこと」遊びや教育、しつけについて
- 日常の健康に関するケアについて
それぞれの章で、勘違いや迷信のような育児情報について、解説してくれています。
見てのとおり、妊娠中から0〜2歳くらいまでのお子さんの親向けの情報がほとんどです。6章が5〜6歳くらいまで参考になる内容ですが、やはりおすすめなのは、2歳くらいまでだと思います。
「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」はどんなふうに悩みを解決してくれるの?
さて、そんな「科学的に正しい子育て〜東大医学部卒ママ医師が伝える」ですが、それぞれのギモンや悩みに対して、どんなふうに書いてあるんでしょう。
それは、例えばどんな感じかというと、
「哺乳瓶の消毒」は、WHOのガイドラインでは一歳まで毎回消毒することになっていますが、実はアメリカでは食器洗い機を使うか、お湯と洗剤で洗えば消毒する必要はないというのが一般的なのだそうです。
そういった違いの理由を、まず原因菌とされるサカザキ菌の特徴から解説して、「本当に大切なポイント」として「道具を無菌にすることではなく、菌が繁殖しないよう、汚れを落とすこと」だと書いてあります。
という感じで、
科学的な根拠をもとにポイントを押さえて、できるだけ負担を減らして育児ができるような提案がされていました。
「へえー、そうだったのか」
「あれってそういう理由だったんだ」
という驚きと同時に、「育児とはこうあるべき!」みたいな思い込みを訂正して、ふっと肩のチカラを抜いてくれました。
その、ふっと肩のチカラが抜けるということが、0〜2歳くらいの子供と過ごす、いっぱいいっぱいの毎日の中で、どれほど救われるでしょうか。
医師でもあり、妊娠や子育てを経験してきた母親でもある著者ならではの一冊だと感じました。
それでは、また。
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